物理教室での研究

物理学では、1mの1兆分の1のさらに百万分の1の大きさの世界を対象とする 素粒子物理から、1mの1兆倍のそのまた1兆倍のさらに百倍の大きさの宇宙を扱う宇宙物理 と広範なスケールを扱うことになる。

当物理学科でおこなっている研究は、素粒子・原子核・宇宙( 素粒子論、ハドロン、宇宙論、高エネルギー実験)、物性(凝縮系、表面界面、超高圧)と 量子力学的な研究(量子干渉)からなる。

 

素粒子論グループ

  物質は何から構成されているのだろうか?それらはどのような相互作用をするのだろうか?時間空間とは何だろうか?などという素朴な疑問をつきつめ、あらゆる自然現象を統一的に矛盾なく記述する物理法則を構築しようというのが素粒子物理学の究極的な目的です。今日では、場の量子論や弦理論による記述が素晴らしい成功を収めていますが、今なお重要な問題があり、当グループでもその解決に向け精力的に取り組んでいます。

宇宙論グループ

宇宙論グループでは、物質の起源やインフレーションなど初期宇宙の問題を素粒子論に基づいた方法で研究しています。ここ数年の素粒子実験や宇宙の観測技術の発展により、素粒子と宇宙の両分野で様々な新しい知見が得られており、将来の大規模実験や観測も計画されています。初期宇宙の解明には素粒子論が不可欠で、当グループでは初期宇宙と素粒子を理論的に研究し、その両者の発展に寄与することを目的としています。 

ハドロングループ

ハドロンとは陽子や中性子、パイ中間子など原子核内部を構成している粒子の総称です。私たちのグループではこのハドロンの理論的研究を行っています。特に、高温・高密度下のハドロン物質や、それらを構成しているさらに基本的な粒子であるクォークやグルーオンの性質の解明は、宇宙誕生のメカニズムや天体現象(中性子星)と深い関わりがあり、現在この分野の最もホットな話題の一つです。コンピュータによる数値的手法等を併用しながらこれらの最新の問題に取り組んでいます。 

高エネルギーグループ

物質の究極の構成要素は何か? それらの間に働く力の法則は? そのような素朴な疑問を実験的に解明していこうとするのが素粒子物理実験です。素粒子の現象は初期宇宙に見られる高いエネルギースケールの現象であるので「高エネルギー物理学」と呼ばれます。私たちは高エネルギー加速器と粒子検出器を主な研究手段とし、物質・反物質の対称性(CP対称性)の破れの研究、質量起源に迫る次世代実験計画立案、測定器の開発など、多様なアプローチにより研究を進めています。

凝縮系グループ

原子や分子が結合した物質では、1立方cmの空間に10の23乗個もの原子や電子が「凝縮」しています。そこは自由空間とは異なり、「半導体」「強磁性」「超伝導」… など多彩な現象の舞台です。特に最近では「強い電子相関」「ナノ・サイエンス」「量子相転移」など、想定外の新奇現象が注目されています。当グループでは、物質に潜む新しい物理学を探索するとともに、新しい機能物性を基盤技術に展開すべく、実験研究を行っています。 

超高圧グループ

ここに画像  超高圧・低温下において物質がどの様に変化するかを研究しています。
  • 強相関4f電子系、特に希土類化合物の低温・高圧下における物性研究。
  • ダイヤモンドアンビルセル(DAC)を用いた超高圧下における物性測定技術の開発:DACを用いたACカロリメトリ−。
  • 微少試料(長さ100μm以下、幅30〜50μm、厚さ5〜10μm程度)上への4端子電極形成技術の開発。

量子干渉グループ

ミクロの世界の法則である量子力学は、様々な現象を説明するのに大きな成功をおさめていますが、同時にそれ自身不思議さで満ちあふれています。最大の謎は「波束の収縮」といわれるものですが、エンタングルメントも興味深い現象です。これらの謎に新しい実験技術で迫りたいと思っています。また電気回路でのシミュレーションも量子力学の理解に役立つと思われます。他に電子素子におけるノイズの問題にも取り組んでいます。

表面・界面ダイナミクスグループ

シンクロトロン光のパルス性を利用して、表面・界面、ならびに固体内の電子状態について、元素ならびに状態選択的な高精度分析をサブナノ秒スケールまでの時間分解性能で行います。またシンクロトロン光とレーザーを組み合わせた新しい分光法を開発し、光誘起現象はもとより、多くの光励起過程の動的解析を行います。この研究は、新素材開発、ナノテクノロジー、バイオサイエンス、環境工学など多くの分野に適用可能で、高い応用性・発展性を持っています。