OBからのメッセージ
山内 秀元
(2008年度修士 修了)高エネルギーグループ
現職:浜松ホトニクス株式会社 開発本部インキュベータPET開発グループ

- 1.現在の仕事内容を教えてください。
- 放射線検出器、特にPET(Positron Emission Tomography:陽電子放射断層撮影)装置に使用する機器の新規開発を行っています。製品化に向けた開発と新規開発事項に関する特許化、論文投稿、学会発表なども行います。成果を出すには困難も多くありますが、世の中にない新しい良いモノを作り出す事はとてもやりがいのある仕事です。また、私の勤める会社の一般的な知名度は低いですが『ノーベル賞に3度貢献した企業』として話題にもなり、会社に誇りを持って働いています。
- 2.大学で学んだことで現在役立っていること
- 基礎知識、専門知識共に役立っています。特に私は高エネルギー研究室で放射線計測/放射線測定器の研究を行えたので、現在の仕事に直結しています。もちろん、会社に入ってから勉強し覚える事も多いのですが、基礎知識として物理がある事で勉強をスムーズに進める事ができました。また、在学中に国家資格『放射線取扱主任者(2種)』を取得したので、それもとても役立っています。海外の大学と交流できた事、国際プロジェクトに参加して研究できた事も貴重な経験となっています。
- 3.なぜ物理学科を選んだか
- 高校生の頃は医療従事者になりたかったのですが、視点を変えて医療従事者が扱う機器に携わる方がより多くの人の為になり広く社会に貢献できるのではないかと漠然と思うようになりました。具体的に社会人になった自分を考えたとき、仕事内容は知らないし浮かばなかったけど、大まかに機械・構造的な事、電気回路的な事、ソフトウエア的な事、の内の何れかに関わって仕事できれば良いな~っと軽く考えていました。そこで調べてみると物理はすべての基礎として必要な事を学べると分かり、どんな仕事に就いても役に立つのではないかと思い物理科を選びました。私は特に放射線を学ぶつもりで物理科を選択しました。
- 4.高校生へのメッセージ
- 将来の夢を持って専門的な学部に進むのも良いことですが、物理はいろいろな事の基礎になっており、物理を学ぶことは将来の可能性はとても広げてくれると思います。具体的に将来のやりたい仕事がある人もまだやりたい仕事が決まってない人も、自分の可能性を広げる選択肢の一つとして物理科学科はどうですか?そして大学に入ることが目的ではなくて、どんな仕事をしたいか、10年後・20年後に自分がどうなっていたいかという希望を持って進路に悩んでみてはどうでしょうか。