OBからのメッセージ
藤原 理賀
(2012年度博士 修了)凝縮系グループ
現職:東京理科大学理学部第一部 物理学科 満田研究室

- 1.現在の仕事内容を教えてください。
- 私は上記研究室で助教をしており、研究、授業、卒業研究の指導にも携わっています。\\ 同じ原子で構成されている固体であっても、原子の配列パターンが異なれば、全く異なる現象が観測されます。例えば、磁石中の電子が持つスピン(磁石の最小単位と考えてください)の配列を操作する事ができれば、絶対零度でも磁石的性質を示さない物質を創り出す事ができると言われています。しかも、単に磁石的性質を示さないだけではなく、直感では考えつかないようなスピン状態が発現する場合があるため、理論・実験の両面から長年研究されています。私は、新奇なスピン状態がどのような条件で発現するのか?、その状態はどのような性質を持っているのか?について、実際に化合物を探索・合成し、様々な実験手法を駆使することで、その問いの答えを探しています。
- 2.大学で学んだことで現在役立っていること
- 私は研究を続けているので、大学で学んだこと全てが役に立っています。
- 3.なぜ物理学科を選んだか
- 高校時代、全科目の中で物理が最も明快であると感じました。そして、一見複雑そうにみえる自然現象に対する明快な答えを私も探したい、と思うようになり、物理学科を選びました。
- 4.高校生へのメッセージ
- この文章を読んでくださった皆さんは、少なからず、物理に興味をお持ちのことと思います。最も大切なのは、今持っている疑問や違和感を解消したい、という気持ちではないかと思います。また、科学技術の飛躍的な発展には新しい物理現象の発見が必要不可欠です。物理学を勉強するという事は、皆さん自身がその発見者・貢献者になる可能性を高める事にもつながります。研究職以外に就いたとしても、卒業研究という「答えが用意されていない課題」に対して、持てる知識を総動員して未知の現象を理解し、その理について論理的に説明する、という経験をする事になるので、前例のない案件に対する最適な回答およびそれを道筋だって説明できる能力は向上するはずです。特に、物理学は物の理を理解し、それを説明する学問なので、論理的に説明する力は必ず付きます。 私は学部・博士課程前期・後期で計9年間佐賀大学に在籍していましたが、現状平和な日本の中でも特に治安が良く、自然豊かな佐賀は、学問をするにも、人生の方針を考えるにも、良い場所だと思います。自分が良いと思う友人を作り、好きな事に没頭してみてください。